関西漢法苞徳之会とは

当会は故・八木素萌先生の学術を関西で広めるために1999年に大阪で設立されました。
現在は八木先生の学術の普及・啓蒙・発展を目的に、月一度の定例会の開催・年一度の合宿等の活動を行っております。
また、八木先生の学術に関する書籍の出版や学会発表などの準備も行っており、その他、学術情報などをこちらのサイトを通じても今後積極的に発信していく予定です。

「苞徳」という単語について

 「苞徳」という言葉は、耳なじみのない言葉かと思いますが、これは中国古典書の『五行大義』から八木先生が作られた造語です。八木先生が関東にて漢法苞徳塾を発足されるより以前、その前進となる難塾の時代に考えられました。

土苞、四徳。故其體能兼、虚実
(土は四徳を苞む。故にその体、能く虚実を兼ねる)
~『五行大義』第二辨體性より~

 土は四季の真ん中であり木・火・金・水の四行を総べ塵を積んで実をなし、積もると間ができる。間があるから、その中に容(かたち)を収める。それ故、土は散らばっているものを収め実のあることを持つ。木・火・金・水の四つの徳を苞含していてその体は虚と実を兼ねている。

 といったことが書かれています。
 その「土苞四徳」の「苞」と「徳」を取って「苞徳」という言葉を選ばれました。

八木方式について

八木先生はこれまでの経絡治療・現代中医学がかかえる問題について整理・検討され、また、古代中国医学~明清医学、経絡治療以前の日本鍼灸の検証をおこない、脈診だけに頼らない経絡的治療を提唱されました。

いままでの経絡治療は「脈診流」とも称されますが、八木先生はその脈診に頼りきった運用に批判的でありました。また、これまでのやり方は主観に頼りすぎているため知識・技術の継承は口伝によるところがおおきく、「脈診十年」と言われるように技術を習得するのが大変むずかしいという問題があります。

八木方式は、脈診だけ頼ったやり方に起こりがちな主観的な思い込みによる誤診をへらし、客観性の高い方法を多く取り入れています。これによって、複数の人が診てもおなじ診断を下す「診断の再現性」が高くなり、客観性が高いことから診療内容の第三者への説明も簡単で、知識・技術を習うときに経験・体験に頼る割合がグッと少なくなります。

また八木先生は国内における臨床での運気論の運用のパイオニアでもあります。古代中国のバイオリズム理論である運気論にもとづいて、治則・配穴・手技選択のシステム化をおこない、未病のメカニズム・未病が病へと発症していくメカニズムを整理され、治療家がシステマティックに診療をすすめられる枠組みを構築されました。

残念ながら八木先生の著書は小冊子『汎用大鍼 その運用』一冊のみで八木方式の全体像が書かれた書物はなく、その臨床理論は普及するというにはほど遠い状況です。当会は(八木先生の遺志を引き継ぎ)これらの臨床理論を普及・発展させることを使命として研鑽に勤めています。