【学術部】1月例会の質問について

1月例会、運気論と温病の質問について

 

遅くなりました。ログインにてこずり、いろいろと調べているうちに脱線してしまいました。お許しください。

 

Q『素問』脈解篇第四十九と運気論の経脈配当について

 

『素問』脈解篇第四十九
太陽 正月 陽気出在上 陰気盛陽未得自也
厥陰 三月 陽中之陰也
陽明 五月 盛陽之陰也、陽盛而陰気加之 陽者衰於五月、而一陰気上
少陽 九月 陽気尽而陰気盛
少陰 十月 萬物陽気皆傷
太陰 十一月 萬物蔵於中、
十二月 陰気下衰、而陽気且出

 

『運気論』
初之気 正月(寅)・二月(卯) 厥陰風木
二之気 三月(辰)・四月(巳) 少陰君火
三之気 五月(午)・六月(未) 少陽相火
四之気 七月(申)・八月(酉) 太陰湿土
五之気 九月(戌)・十月(亥) 陽明燥金
終之気 十一月(子)・十二月(丑) 太陽寒水

 

脈解篇は自然界の陰陽消長を十二月と経脈を当てはめている。(二月・四月・六月・七月・八月の記載はないが、これは太陽が正月・二月、厥陰が三月・四月、陽明が五月・六月・七月・八月という枠組と解するのか?)

運気論では、時性の特徴とそれに旺ずる臓腑経脈を当てはめている。

運気論では、季節循環(主気)は五行、客気は三陰三陽としている。

同じ経脈の配当であっても捉えているアングルのちがいがある。

 

脈解篇は『霊枢』「経脈篇第十」に記載されている各経脈の一部の病症の解説がなされているが、『太素』では巻八「経脈病解」に同文の記載がある。

 

参考文献

  • 『素問攷注』 森立之 オリエント出版社
  • 『素問攷注』 森立之 日本内経医学会
  • 『顧従徳本 黄帝内経素問』日本内経医学会
  • 『素問訳注』 家本誠一
  • 『現代語訳黄帝内経素問』 東洋学術出版社

 

また参考として八木素萌先生がまとめられました『体表に現れる情報の多層性』をアップいたします。古医書に記載されている経脈反応などは、一見矛盾しているように思われても、アングルのちがいで記載されているようなので、それを考慮にいれて読み解いていくと理解しやすいかと思われます。それでも理解に苦しむ箇所もありますが…。

 

以下内容

鍼灸医学は病因・病臓が判断でき、病位・病性・病態と変動経が把握できれば、経絡を運用した治療が可能である。そのためには的確な病症解析と診断が第一に重要なことであるのは言うまでもない。そして幅広い治療を可能にするためには、診断は一つの方法に拘わらず病症解析と四診を総合して多面的に病を拘えるべきであり、病は立体的にイメージすることが先決である。何故ならば、病の体表での反応は多層的であり、単一の反応を表現している事は非常に少ないからである。逆説的にいうならば、一つの方法に拘ることは自ら治療の有効範囲を狭めることになる。

その多層的に体表に表現される生理的病理的反応には

1.      病因に応ずる反応

2.      季節循環、特質に応ずる反応(注―病因の六気〈風・熱・暑・湿・燥・寒〉と、気候の五運〈春・夏・長夏・秋・冬〉の関連として言えば、まさに運気の反応としてとらえることもできる)

3.      病臓に直接的に反応しているもの

4.      体質やライフスタイルに対応した反応

5.      病位を示している反応

6.      痰飲や瘀血などの病理的生理的産生物に対応した反応

7.      病態に対応している反応

8.      剛柔・長生に関連する反応

9.      子午・運気に応じる穴の開闔を表現している反応

10.  経脈の走行部位(支配領域)における皮部・経筋などの変動に関連した反応

などが存在している。日々臨床の場においては、それらが複合に絡み合って反応を現している。それらを正確に把握するためには、人身の全面と病候の全体を立体的に観察することが必要である。体成分としては〈衛・気・栄・血〉を主とし、部位論的には〈前・後〉〈腹・背〉〈左・右〉〈頭・体幹・四肢〉〈上・中・下〉、機能的には〈皮毛腠理・血脈・肌肉・骨〉〈関節・筋膜・腱・軟骨・腱板・関節包・骨膜・骨髄などの機能組織学な側面〉などを〈解析・推理・演繹・対比・総合などを行って〉論理的に医学的に加工することができなければ、診断は成立しないことになる。特に人身の生理的なものは、シンボル的に、一群の生理的病理的現象や機能を五行論的な集合として考察するという漢法医学の際立った特徴を考慮し、また経脈にも陰陽五行論的に所属させている点を考慮すれば、病証の把握を、五行・五臓に集約することは、臨床の必要にもなっており有用なものとなっている。

 

以上

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